第3回 スポーツ選手と感染症罹患リスクについて

一般的にスポーツ選手は体力があると思われています。

特に競技レベルが高く、経験年数も長い選手ともなると、
鍛え上げられた筋肉や骨格、
更には躍動感のある身のこなし等がそれを強く想像させます。

しかし意外にも…
風邪やインフルエンザ(流行性感冒)等に罹患して、
練習計画や試合に影響を受けてしまうスポーツ選手は
少なくありません。

さすがにプロ選手ともなると、その職業意識の高さから
日頃の対策にも余念が無いと思いますが、
アマチュアではナショナルチームに選抜されるレベルにあっても
「冒される」選手は普通にいます。

この違いは、例えばこのようなことが原因かも知れません。

◆アマチュアの場合(ここでは主に学生を指す)、
選手・指導者共に意識が低い。
→このために対策を真剣に考えないし、実践を徹底しない。

◆アマチュアの場合、選手・指導者共に知識が足りない。
→このために対策そのものを思い付かず、
後手に回ってしまうことになる。

1つめの「意識が低い」というのは、
もちろん最低限の予防策の知識が無ければ
そもそも話になりませんが、
手洗いやうがい、マスク着用等の
常識的なことですら徹底できていないようです。

毎年ほぼ同じ時期に流行することが分かっているものの、
部活動や寮生活で一気に拡散しているのは
その証拠と言えるでしょう。

2つめの「知識が足りない」というのは、
予防医学的な知識のことも含みますが、
本稿では特に「体力」の構成要素を正確に理解していない
という問題点について触れておきたいと思います。

一口に「体力」と言っても、
カテゴリーは「行動体力」と
「防衛体力」の2つに大別されまして、
冒頭に書いた「体力」とは、
このうちの「行動体力」を指しているに過ぎません。

行動体力は…
・筋力やパワーのような「行動を起こす力」
・筋持久力や全身持久力のような「行動を持続する力」
・敏捷性や柔軟性のような「行動を調整する力」
といった要素から構成されていて、
何れもトレーニングを含むコンディショニングによって
そのレベルを意図的に高めることが可能です。

当然、競技者が普段行っている専門練習や
補強トレーニングはそうした要件を満たしています。

ところが実は、
こうした行動体力のレベルアップのために行うハードな運動により、
運動後には一時的に体は疲労し、行動体力水準も低下するのです。

そしてこの時点では、
「自己免疫力も低下している」ことに注意しなければなりません。

この免疫力は、
「防衛体力」にカテゴライズされる要素の一つで、
ウイルスのような生物学的なストレスに対する抵抗力であり、
非常に重要であるものの、
身体的なトレーニングによって
直接高められるような性質のものではありません。

したがって…
◆感染症の特徴を良く知り
◆うがい、手洗い、マスク着用等常識的な対策を
日頃から実践しつつ
◆人混みをできるだけ避ける
◆タオルやウォーターボトルを他人と共用しない
◆練習やトレーニングの内容を調整し疲労を溜め込まない
◆運動の効果を強調する栄養補給や積極的休養まで含めた
トータルコンディショニングを実践する
…等は最低限行うべきなのです。

選手が学生の場合は、こうした点について監理、
指導することは当然指導者の役割となります。

ただ肉体を追い込むだけの運動は、
コンディショニングとは程遠い行為です。
アマチュアスポーツ関係者が
特に注意を払うべきところだと言えるでしょう。

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