第1回 座っている時間が長く、あまり運動をしない方へ

第1回 座っている時間が長く、あまり運動をしない方へ

現代の日本人が運動不足の状態にあるのは、
誰しも認識できていらっしゃることと思います。

その結果、筋力や呼吸循環系能力は著しく低下し、
摂取エネルギー過多とも相まって
生活習慣病患者は増加する一途となっています。

この傾向は国民医療費を増大させ、
現在では国家予算を窮乏させるレベルにまで
到って久しいのにも関わらず、
改善される気配は全く感じられません。

こうした事態を改善するには、
国民一人一人の健康意識を向上させ、
運動や食事を考慮した
理想的な生活習慣の確立が必須となります。

もちろんこれまでにも、
運動の効率や効果等の視点から考えられた
それなりのガイドラインはありました。

例えば…
「1日30分以上持続的な運動を行なう」や
「1日1万歩を目標に歩く」
といったものです。

ところが、
時間や種類、量を指定したこれらの運動は、
運動不足全体を包括する理論的対策ですが、
全く現実的ではないので実施できる人は
非常に限定的だったと判断せざるを得ません。

と言うことは社会全体でみると、
有効性は乏しいことになります。

このため、近年では対策もそれなりに工夫され、
広く「体を動かすことそのもの」を
有効な運動と見なし、
それらを喚起する実践的な
ガイドラインに変わってきています。

それにも関わらず、
対策が奏功したという話はあまり聞きません。
仮に対策の効果を
「国民医療費」という物差しで計ると
ほとんど無効といっても良いでしょう。

ただし…

こうした傾向は日本に限ったことではなく、
先進国においては共通の話なのです。
つい先日もWEB上で
「1日6時間以上座っている人は死亡率が40%アップする!」
というニュースを拾いました。

死亡率40%アップ!!!

誰を対象にどのような調査をしたのか?
類似報告はどの位あるのか?
…等々、疑問は色々浮かびます。

しかし、それはそれとして、
「長時間座ったままという状態」が
体にとってあまり良いいものではない、
ということは想像に難くないでしょう。

同じ「じっとしている」のでも、
四足歩行の動物が横たわっているのと、
二足歩行の人間が座っているのとでは、
血液や体液を循環させるという作業において
負荷の大きさが全く違います。

よく聞く、飛行機等の乗り物で
発症例が多く報告されている深部静脈血栓症
(エコノミー症候群・ロングフライト血栓症)等は
悪い事例の典型です。

もちろん、こうした病気は湿度や気圧等
その他の要因も複合的に絡み合ってから
発症のリスクが高まるのですが、
これほど深刻な例ではないとしても
運動不足が招く各種の弊害は
避けるに越したことはありません。

体力や気力の低下、冷えや節々の痛み、
肥満等の体型の崩れは「老い」や「衰え」の
典型的な症状ですが、
これらに対する一番効果的な改善策は
「動く」ことに他なりません。

動けば心臓や筋肉のポンプ作用が働きます。
それで末梢血流やリンパの流れが強制的に進み、
むくみや冷えが改善し、
体の調子が良くなって気持ちも晴れるのです。

では、一体どの様に動けば良いのでしょうか?

ここで「30分以上」とか「一万歩以上」と
ボリュームを定量化すると企画倒れになります。

一番大事なことは、
「運動する習慣を持つ」ということです。
負荷そのものは実は後からでも構いません。

よって、全く運動していない部類の人であれば、
先ずは「1分」とか「100歩」にすれば良いのです。
それなら、運動するために外に出る必要はありませんね。
部屋の中や建物の中で簡単にできてしまうので、
天候や環境の制限を受けませんから、
毎日行って習慣にするためのハードルは低くなります。

そして、生活の中に無理なく取り入れ易いものが、
自分の体重や身長・腕脚の長さを利用する筋トレです。

例えば…
かかとを上げて家の中を歩けば足音もしないし、
足指やふくらはぎの筋肉を使うので
むくみや冷え程度であれば直ぐに改善できます。
当然、使用する筋肉は強化され引き締まってきます。

また、かかしのように一本足で立てば、
バランス感覚は強化されますし、
股関節と足首は反射的に連動するので、
何かに引っ掛かった時にでもつまずき難くなります。

だから毎日家の中で簡単にできる
こうした筋トレのバリエーションを増やしたり、
種目毎の強度を少しずつ上げたりすれば
それで良いのです。

そして、この方法を熟知すると実質的に
ほぼ無限に運動メニューを生み出すことができます。
それを地元で『目からウロコのシニア健康教室』として
展開するようになって今年で4年目を迎えますが、
一昨年から県外にも広がってきたのは嬉しい限りです。

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